Illustration by ＧＯ！

　私たち「映像技術部」は、東京に越してきてから、３年目に突入しました。さあ、今年も躍進していこう！

　人間関係が希薄となるこの時代に、１人との信頼を深め、広げていることで、仲間という絆を光り輝かせることができる。そう信じてやまない私たち映像技術部。実は２月いっぱい大学生を雇っていました。住み込みで。「インターンシップ」というヤツらしいです。

・インターンシップ：
　学生が一定期間企業等の中で研修生として働き、自分の将来に関連のある就業体験を行える制度

　たしかに、私たちはフリーランスユニット「映像技術部」という形でいろいろとお仕事をさせていただいています。最近は、依頼も充実してきて、人手が足りないくらいです。っていうか足りないです。なので、学生さんという人材を堂々と雇えるのはすごくうれしいことなのですが……、そもそも「映像技術部にインターンシップ」って発想そのものが斬新すぎて、あまりにもおもしろかったので、そりゃもうOK！と即答ですよ。書類にハンコ押すだけで採用できるみたいだったしね。

　東京よろしく浅草にかまえられた映像技術部（ようするにオレの部屋）は、大人数が泊まりに来てもいいように、ちょいと広めに作られているわけで、秋葉原が近いこともあり、友人たちが「アキバ帰りに寄れる所」です。なんつーか、毎日が修学旅行なわけです。

　んで、夜な夜な繰り広げられるオレの中学生トーク！　けどこの学生さん、全無視！　ある意味すごい！　どんだけ恋バナが苦手なんだよ！

　あと、よく作品中などにも「映像技術部は浅草──」と言ったりしていますが、実は地域的にうちは「上野」に入ります。上野と浅草の狭間の北の方です……もう、ここまで書けば、一部の人は気づきますよね？　そうです、吉原が近いのです！　歩いて10分くらい。

　毎日かならず、彼を「よし、吉原に行こうか！」と誘っていたのですが、がんとして童貞を守りきりたい意向を主張してやまない上に、最後の方になるとオレに向かって「だからぁ！　オレは好きな子に童貞を捧げたいんだよ！　風俗はひとりで行けよ！」とまで……。後輩と一緒に風俗に行く気分を味わいたかったのに、も〜う、寂しいわぁ。そんなに大切か？　童貞。

　まぁ、さておき、彼にはこの２週間、うちの仕事を通じて、トラウマになるんじゃないかってほどいろんな経験をしてもらったと思っています。立ちはだかる高い壁を前に、どうするか。「兆し」に「しんにょう」をつけて“逃げる”のか、「てへん」をつけて“挑む”のか。心の持ちようで人生は１８０度変わるってことを指導したつもりです。

　私たちは、未来を担う学生のインターンシップという大切な時間に貢献できて、とてもうれしく思っています。なかなか充実した２月でした。

　おまけ──

「なんだか……」

「みんな、ウキウキしてる」

「そんなに楽しい所なの？ 吉原って」

　天保異聞 妖奇士 第７話より、名シーンでございますな